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ある女子高生からの手紙

 

 シアター青芸
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ものがたり

 

若手漫才コンビの「兄貴」と「金太」は、仕事も少なく、失敗が多く出番もキャンセルされる始末で一向に芽が出ない。まさにコンビ解消の危機にある。しかし二人には「お笑い名人大賞」を取る夢にかけた青春と友情があり、別れるに別れられない。

8月の始め、夏の盛り。兄貴と金太は愛車のナナハンならぬ自転車に二人乗りしてナンパに出かけ、信号無視をして事故を起こしてしまった。二人が意識を取り戻すと、見知らぬ若者達が二人に向かって、「岸田中尉!福本少尉!」と呼びかける。

ときは1945年8月の始め。
ところは、特攻隊基地の兵舎。
二人とも若者達も出撃を間近にした特攻隊の仲間だという。
夢か、タイムスリップか、転生か・・・・・

 

岸田中尉と福本少尉はゼロ戦で特攻出撃中に墜落事故を起こし、一命を取りとめたものの、そのショックで記憶喪失になっているという。
 現代の芽の出ない漫才師の若者である兄貴と金太は、60年の時を越え、死に向かって突き進んでいこうとする特攻隊の若者達とのちぐはぐな日々に投げこまれることになってしまった。

 兄貴(=岸田中尉)と金太(=福本少尉)の二人は、病状が快復しだい特攻出撃することになっているという。二人は叫ぶ。「そんな馬鹿な!」   岸田中尉と福本少尉はいったい二人にとって何なのだろうか。
 広島に特殊爆弾が投下されたという知らせが入ってくる中、特攻出撃を待つ若者達は、死に向かって飛び立とうとする自分の、死の意味を問い、生の意味を問う。そんな仲間達に兄貴と金太は言う。

 

 「この戦争は負けるんだ!」
 「なぜ死のうとするんだ!」
 「生きていたいだろう!女だって抱きたいだろう!」

     二人は、仲間の出撃を止められるのか。
     二人とも、出撃することになるのか、
     1945年8月の世界から、現代へ戻ってこられるのか。